ファーストキス



「ねぇ、ファーストキスっていつなの?」

肩をたたかれて呼び止められて、先ほどOPトーク収録中にも聞かれた言葉をもう一度聞かれる。
だけれどその顔は先ほどのおちゃらけた顔とは違って、真剣で。
思わずひるむようにして、一歩下がった。

「べ、別にいつでも良いじゃん」

大体、今年24にもなろうという男がキスのひとつもしていないわけがない。
聞いてきている本人にだって、ないはずない。
わかっているだろうに、何故今頃こんな質問。
最初に投げかけてきたのは松本だったけれど、それをいま少し恨みたい気持ちだった。

「…気になるから、聞いてんじゃん」
「気にしなくて良いじゃん。今更、どうこうなるわけでもないし」
「そうだけど、いつだったのかなぁって思うじゃん」
「そういう翔くんはどうなのさ?」
「俺?俺の聞いたって面白くねぇだろ」
「じゃあ俺のだって面白くねぇだろ」
「いや、面白くはないよ。確かに」
「は?」
「ちょっと、むかつくだけ」

智さんの、最初、誰がいつ、とったのかなって。

ちょっと拗ねたようにそっぽを向かれて、その姿に思わず噴出す。
くすくすと腹を抱えると、さらに櫻井は拗ねたような顔をした。

「笑うなよ」
「笑うよ、おかしいもん」
「うるせっ」
「だって、翔くんってさ、細かいとこ気にするよね」
「悪かったな」
「でも…俺もちょっと気になるかな」
「え?」
「翔くんの初めて、いつかなって」

そう言ってから、少し驚いた顔をした櫻井に掠め取るように唇を押し当てた。
そしてにやりと笑ってみせる。

「ま、いいよ。俺は数で勝負することにするから」

呆然と立ったままの櫻井を横目に、先にいくよーと駆け出す。
はっとそれを見て我に返った櫻井が、追いかけるようにして腕を伸ばした。
そして掴まれる。

「…なに?」
「それって、キスしていいってことだよね?」
「今とは言ってないよ?」
「今じゃなくても、いっぱいしたいってことだよね?」
「…好きにとれば?」

じゃあそうする、そう言って周りを確かめて櫻井は軽くキスを落としてきた。





WEB拍手のお礼小説でした。
Dネタ。櫻井さん、マジに興味津々過ぎ。