バスタイム
隣の部屋からシャワーの音がザァザァと鳴り響いている。
泊りがけのロケでたまたま同室になった大野が、お先に、と一言残して先にシャワーを浴びに行った。
そんなのいつものことで、慣れているのに、何故だか今日に限って櫻井はどきどきしていた。
ドアの前に近づいてみたり、少し透けて見える向こうをうかがってみたり。
まるで変態じゃないか…と、覗き込んでいた瞬間に何度も我に返った。
何故今こんなにも、どきどきするのだろう。
脱衣所にある、無造作に置かれた大野の服。
それをさっきまで大野が着ていたかと思うと、なぜか興奮が高まった。
櫻井は、少し考えて、意を決したように自分の服もそこへ脱ぎ始める。
丁寧に置かれたそれは大野の服の上に乗って、重なり合った。
そして、大野が入るシャワー室の扉を予告もなしに開ける。
「え!?な、なんだよ!」
大野は、扉の開いた気配に驚いてこちらをむいた。
櫻井はそれには答えず黙って、扉を閉め、近づく。
そして大野とぴったりとくっつくように身体を重ね合わせた。
「な、なに?なにしてんだよ!?離せよ」
大野は身をよじるようにして、身体を動かした。
櫻井はそんな大野の態度を気にするでもなく、ただ後ろから抱きしめている。
「ちょっ、翔くん、マジ一体何なんだよ!?」
櫻井はその言葉にやっとのことで身体を離すと、大野の身体を自分のほうへと向けた。
大野の手に持っていたシャワーがカタリと床に落ちる。
シャワーの頭から水が飛び散って、大野と櫻井の足元に跳ねた。
「翔くん!?マジで怒るよ!?」
大野が掴まれた腕を窮屈そうに動かして、いつも下がった眉毛を上げた。
櫻井はそれでもやはりかまうことはなく、壁に押し付けるようにして押し迫る。
「…智さん」
櫻井は、壁際に大野を追い詰めると、足を絡めるようにして身体を寄せた。
「ちょっ…翔くん!!」
大野は驚いたように、身体を引くと、横へと逃げようとした。
櫻井はそれを捕まえるように、唇にゆるく噛み付いた。
「っん!?」
櫻井は暴れる大野を押さえつけながら、段々とそれを深くしていく。
シャワーの湯の煙が、二人の身体を蒸すように熱くしていく。
「ぅはぁ…しょっ…くっ…まじ、かんべん」
少しだけ離れた唇の間から言葉を必死でつむぐ大野。
その目はすでにとろりとしている。
櫻井は笑みを浮かべた。
「…ね、風呂ですんのって、興奮しねぇ?」
櫻井は自分の高ぶりかけたそれを大野の足に押し付けた。
大野は瞬時に顔を赤くすると、両手で櫻井の肩を押す。
「ば、ばかなこといってんな!!でてけよ!!なんなんだよおまえ!」
「馬鹿なことなんていってない。興奮するかしないか聞いてんだよ、答えてよ」
櫻井は腰をさらに大野に押し付ける。
うまい具合に大野のそれにも当たるように動かすと、大野は、喉の奥でうなるような声を出した。
「…興奮してんじゃん」
櫻井は満足そうに笑うと、大野は櫻井を恨めしそうに見る。
「…しね、さくらい」
「やだね、死んだら泣くくせに」
櫻井はそういうとまた、唇を奪う。
大野の手は相変わらず、櫻井を押し返すようにされているが、徐々に力が抜けてきているのがわかった。
櫻井はそれをいいことにゆっくりと、大野の身体を弄り始めた。
湯あたりした大野を櫻井はベッドへと運んでいた。
あの後、身体をあわせることに成功した櫻井は夢中になりすぎて、シャワーの熱を止めるのを忘れていた。
狭い空間の中で自分たちの熱と合わさって、大野は最後には立てなくなっていた。
櫻井は大野にガウンを着せると、担ぐようにして外へと出た。
クーラーの冷たい風で少し、上がった息を整えた大野が、潤んだ瞳で櫻井を見上げている。
「…一体、なんだったのさ!」
少し拗ねたような口調で大野が、櫻井をにらみつける。
櫻井は水を汲み、大野に差し出しながら、申し訳なさそうに頭をかきながらあやまった。
「…ごめん」
「ごめんですんだら、警察も自衛隊もいらねぇ」
櫻井は苦笑いをしながら大野の顔を見つめて、また謝った。
「…智さんが、なんか今日、色っぽかったから」
そういうと大野は、さらに櫻井を怪訝な顔でにらみつけた。
「はぁ!?」
「だって、なんか、今日わかんねぇけど、むらむらきて」
「…むらむらきてじゃねぇよ!!馬鹿櫻井!!」
ぷりぷりと効果音と言うものがこの世にあるのならば、そんな音がつきそうな顔で大野は怒っている。
櫻井は何度も何度も謝った。
「…許さない、ぜってーゆるさねぇー」
大野はそんな櫻井の態度に、態度を変えることなく、怒っている。
「も、しばらく触るの禁止」
そう冷たく言い放つと、櫻井の鼻をつまむ。
「ふぉ、ふぉんなあ、さふぉひはん…」
情けない顔でそういうと、大野は少しだけ笑って、だけどそれからまた怒った表情に戻って。
「自業自得だ」
と指差した。
行き当たりばったりで書いた。微エロに挑戦?