寂しいなんて、それは嘘。
仕事で何日も離れてる。
そんなのいつものことで、いまさら寂しいなんて、そんなこと思うはずもない。
マネージャーが持ってきた発売したばかりの雑誌を開けながら、そこで笑う櫻井を見て、大野はそんなことを思った。
いったいいつから会ってないっけ?とひーふーみーと日数を数えてみるけれど、あまり記憶がなくて思い出せない。
最後に会った日も、たぶん仕事で会って、恋人として会ったわけじゃなかったから、たいした会話もできなかった。
ここのところまともに一緒にすごしたことなんてない。
まぁ、だからといってどうというわけでもないのだけれど。
大野はぼんやりと開けていた雑誌をパラパラとめくる。
一応、自分たちの記事を一通り読んで、それから気になるところだけをさらりと流し読みした。
そうしてそれをゆっくりと閉じる。
本を読んでいたら、眠気が襲ってくるというのはよくあることだ。
大野は手にした雑誌を横の机に置くと、椅子に背を預けて目を瞑った。
しばらくたって、大野は目を覚ました。
目を開けた途端、何かを探すように回りを見渡す。
そして、ため息をついた。
…なんで、いないんだよ。
思わず、見渡した後、大野はそう呟いていた。
ついさっき、いまさら寂しいなんて思うはずないと思っていたのにもかかわらず。
夢に出演してきた櫻井の影を、大野は、無意識に現実でも探していた。
寂しくないなんて、本当は、そんなのは嘘だった。
本当は夢にまで見るほど、寂しくて、どうしようもない。
夢になんか出てこなくても良いから、傍にいて欲しいなんて、そんな情けないこと思いたくなかったのに。
大野は、さきほど横に置いた雑誌をまた手に取った。
そうしてパラパラと急ぎ足でめくって、櫻井のページを探し当てる。
そこを大きく広げると、ぎゅっと胸に抱きしめた。
写真ではぬくもりを感じることは出来ず、大野は少しだけ泣きたくなった。